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ワークマンの「データ経営」と「しない経営」

WORKMAN Plus+が今月10日に我が家の近くに開店する。以前はLAWSON STORE 100があって、それなりに重宝はしていたが、工事中の建機の隙間からまだ取付前の横向きのワークマンの看板を見て、私は年甲斐もなく小躍りした。これまでは遠方のワークマンの店へ商品をいくつか買いに行っていたし、話題の商品はネット購入も試みた(残念ながらすぐに売り切れてしまい、未だに欲しい商品を手に入れられないでいる)。そういった状況であったので、たった徒歩300歩(多分100mほど)に憧れの店ができるとなり、開店を心待ちにしているところである。 ワークマンの快進撃はTVでも紹介されているが、店に行くとその安さと品質の良さに思わず買う予定に無かったものまで買ってしまう程の魅力があり、他社のものに比べて圧倒的なコスト・パフォーマンスの良さ、つまり商品力が強みである。 IR情報を一瞥すると、「売上高15か月連続2桁増」「純利益9期連続過去最高益」「客数・客単価前年同期比増」「楽天から2020年2月末で撤退」「PB商品の中国生産割合67%」「製造原価率64%」「店舗数は843、新規出店は全て新業態のワーク...
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アメリカ大統領選挙と民主主義の行方

2020年のアメリカ大統領選挙はバイデン候補が270超を獲得し、78歳という歴代最高齢の第46代大統領に就任することが決定的となった。トランプ大統領は選挙の不正を訴え法廷闘争に持ち込もうとしているが、相変わらずツイート調で、提訴できるほどの証拠を提示できないでいる。事前の選挙予測では常にバイデン氏がリードしていたが、4年前のような「隠れトランプ支持者」が顕れてデジャブとなる可能性も少なからず報じられた。事実、選挙中盤ではトランプ氏が激戦州といわれるフロリダやオハイオを押さえ、トランプ氏再選ほぼ決まりと発言するコメンテーターもあった。そのコメンテーターは今どのような気持ちでいるのだろうか。 いずれにせよこの4年間のトランプ大統領の政権運営に対する評価が下された。Four more yearsか、No more Trumpかという選択の選挙であったと言えよう。経済面では実績を上げ、低賃金労働者の賃金は5%ほど上がり、株価も上昇した。しかし、治安維持と人種差別問題のはざまで、Black Lives Matterに代表されるような国内における分断を煽ってしまったことは否めない。アメリカ第一主義...
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任侠いずこへ

「ladies and gentlemen きょうから変わりました 日本航空」という記事が一昨日載っていた。日本航空が機内などで英語でアナウンスをする際に使ってきたお馴染みの「ladies and gentlemen」という呼びかけを、10月1日から性別を前提にしない表現に変えることになったという。新たな英語のアナウンスの表現は「Attention, all passengers」や「Good morning, everyone」などになるそうである。日本航空内では「なぜ英語のアナウンスは男女前提なのか」という疑問に始まり、LGBTQの人たちに配慮する動きの一環と見て取れる。マイレージ会員向けに発行されるカードの性別表記もなくしたそうである。「お客様は一人一人違うということを根底に」という考え方に異論はないが、かといって男女を区別する便利な総称があるにも関わらず、一部の少数派に配慮しすぎて多数派がかえって息苦しい思いをするのもどこか違う気がする。 そもそも「ladies and gentlemen」とは女性に対しても男性に対しても用いられる尊称であり、かつladiesを前に置くことによ...
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海洋プラスティックごみ問題

前回投稿の「レジ袋有料化」は具体的な施策というミクロの観点から私見を述べたので、今回はマクロな視点で「海洋プラスティックごみ問題」を論じてみたい。 人類がこれまで生産したプラステッィクの総量は80億トンに上るとされる(CLOMA:CLean Ocean Material Alliance会長 澤田道隆花王社長)。毎年3億トンが生産され、そのほとんどが「廃棄ゴミ」として放置されているという状況で、年間生産総量の2.7%にあたる800万トンが世界中の海に毎年投棄されており、累計1.5億トンものプラスティックごみが海中に漂っている、あるいは海底に沈んでいるそうである。そしてこの海洋プラスティックごみの8割は廃棄物インフラの整っていない新興国から流出しているとCLOMAにおいて報告されている。 この海洋プラスティックごみ問題をマクロな視点で捉えると、製品設計⇒生産⇒流通⇒消費者使用⇒リユース⇒リサイクルという一連の流れを環境保護の観点並びに経済的合理性を踏まえて循環軌道に乗せていく必要がある。しかし、一体どこから手を付ければ効果的なのか途方に暮れるほどの大問題である。関りを持つステークホルダー...
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レジ袋有料化

経済産業省のHPを見ると、「2020年7月1日よりレジ袋有料化がスタートします。プラスチックは、非常に便利な素材です。成形しやすく、軽くて丈夫で密閉性も高いため、製品の軽量化や食品ロスの削減など、あらゆる分野で私たちの生活に貢献しています。一方で、廃棄物・資源制約、海洋プラスチックごみ問題、地球温暖化などの課題もあります。私たちは、プラスチックの過剰な使用を抑制し、賢く利用していく必要があります。」「このような状況を踏まえ、令和2年7月1日より、全国でプラスチック製買物袋の有料化を行うこととなりました。これは、普段何気なくもらっているレジ袋を有料化することで、それが本当に必要かを考えていただき、私たちのライフスタイルを見直すきっかけとすることを目的としています。」とある。プラスチックの有用性について言及したあとに、プラスチック生成及び廃棄に際して課題があることを指摘し、ライフスタイルを見直すきっかけを目的にしていると結んでいる。 NHKの国際報道によると、いち早く有料化に踏みきったのが中国で、12年前の2008年から取り組みを始めているという(別の記事で2006年ルワンダでレジ袋原則禁...
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人種差別問題に揺れるアメリカに想う

2020年5月25日に米ミネソタ州で白人警官が黒人男性ジョージ・フロイドさんの首を8分以上膝で地面に押し付け、死亡させた事件が発生した。この事件をきっかけに全米はおろか各国にBLM(Black Lives Matter:黒人の命は大切だ)デモ活動が広がりを見せている。SNSによる動画配信はその生々しさと拡散性をもって大きなうねりを作り得る存在になった。 フロイドさんが亡くなるまでの間に「息ができない」と20回以上訴えていたことや、助けを求めて「殺される」と繰り返していたこと、閉所恐怖症で警察車両に入れられることを拒んだこと等が合わせて報道された。 そもそもフロイドさんはどのような経緯で拘束されたのか?フロイドさん行きつけの食料雑貨店で偽20ドル札を使った容疑で警察に拘束されている(使われた20ドル札は本物であったのか、偽物であったのかは公にされていない)。ミネアポリス警察はフロイドさんがアルコールか薬の影響下にあって、身体的に抵抗したと主張している。フロイドさんは身長193センチ体重101キロ、過去に窃盗や薬物所持で逮捕されている前科者である。2007年にはヒューストンで住居に侵入し武...
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テロとコロナの共通点

新型コロナウイルスは世界へ瞬く間に広がり、未だ収束の目途が立たないでいる。コロナウイルスそのものはこれまでヒトに蔓延している風邪のウイルス4種類と、動物から感染する重症肺炎ウイルス2種類が知られている。今回の新型コロナウイルスはその感染力の強さや再陽性、症状の多様性など未知の領域が多く、単なる風邪の一種とは言えない後者に分類されるもので、世界中の人々を恐れさせている。私も自粛の最初のころは「所詮、風の一種だね」と軽く考えていた節があったし、これまでまとまった時間が無いことを言い訳にしてできなかったことをやる機会に恵まれ、充実した時間が持てると比較的楽観的に捉えていた。ところが事態が長丁場の様相を呈することになり、仕事も完全休業状態、自粛三か月目に突入すると流石にこれといってやることもなってしまった。これまで買うほどのものではない本は図書館から借りて読んでいたが、それもごく最近までサービス停止であったので、再開まで待てない本は本屋やネットで買い求めることとなる。 「21 Lessons」は”21世紀の人類のための21の思考” の副題が付いているユバル・ノア・ハラリ氏の最新刊である。氏はこ...
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バルト三国の歴史(ヒトラーとスターリンの間で)

バルト三国はバルト海の東岸、フィンランドの南に南北に並ぶ3つの国で、面積は日本の半分にも満たない小国群を指す。北から順にエストニア・ラトビア・リトアニアと、それぞれ公用語を持つ独立国家であるが、その自立への道のりは苦難そのものであった。今では中世ヨーロッパの歴史的建築物が保護されている世界遺産として観光地としても有名である。エストニアのタリン歴史地区、ラトビアのリガ歴史地区、リトアニアのヴィルニュス歴史地区それぞれの首都の美しい街並みは中世ヨーロッパに紛れ込んだような感覚に誘ってくれる。 バルト三国は18世紀まではロシア帝国の支配下にあったが、1914年に第一次世界大戦が勃発すると、リトアニアとラトビアの南部は翌年ドイツ軍に占領される。その後、1917年ロシア革命に成功したレーニン革命政権が民族自決を掲げると、その影響を受けてエストニア、ラトビア北部においてボリシェヴィキ武装蜂起が起こり急速に独立の機運が高まった。しかし、翌1918年3月にソヴィエト政府がドイツ等中央同盟国との間で締結したブレスト=リトフスク講話条約において、ソヴィエトは大戦からの離脱を表明した。その折にソヴィエトはウ...
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覇道と王道

覇道とは為政者が徳によらずして武力や権謀を以って行う支配の仕方である。王道とはこれに反して、統治するに仁徳をもってする政治の仕方である。前者は韓非子などの法家の思想で、法治主義である。中国統一を果たした始皇帝も、宰相として李斯を登用して法家思想による統治を実施したとされる。一方、後者は孔子を開祖として戦国期の孟子(性善説)によって形作られた儒家の考え方で徳治主義である。滝沢馬琴(曲亭馬琴)が著した「南総里見八犬伝」で「犬」の字を含む名字を持つ八犬士が、それぞれに仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌の文字のある数珠の玉を持っていたが、まさにこれらが儒教の徳性である。 中国の各王朝は表向きはつねに儒家を尊び、孔子を聖人とし、「礼」(道徳的な規範)をもって自らを律する儒教を政治道徳の鑑としてきたが、実際の政治の運営は法家の思想を手引きとして行われてきた面が大きい(もっとも今の中華人民共和国は法治主義というより、党治体制であるが)。儒家が表の、法家が裏の思想と言われることもあるが、歴史的には儒家の思想が荀子によって変遷し、それが韓非に引き継がれていったという説が定説となっている。つまり孔子が生きた春...
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檄 三島由紀夫

「三島由紀夫vs東大全共闘〜50年目の真実〜」を観た。コロナ禍で映画館も空いていて20人程の観客。いわゆる3密(密閉・密接・密集)の2条件はクリア。コンサートでもクラシック・コンサートは感染確率が低いらしい。なぜなら喋らないからである。感染爆発を抑えなければならないのは勿論だが、経済不況による死者も想定しなければならない。これまでの政府の対策を批判することは簡単だが、この状況下でのかじ取りは本当に難しい。 三島由紀夫が陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地で益田総監を監禁し、バルコニーにおいて自衛官1000名ほどを前に、「檄」を撒布して演説を行い、その後、割腹自決を遂げたのは1970年11月25日のことである。当時私は小5であったが、そのニュースや翌日の新聞に掲載された、その最後の生々しい写真は未だに鮮明に記憶に残っている。 三島の生涯は45年という短いものであったが、遺した作品数は多く642である。「金閣寺」「潮騒」「仮面の告白」など代表作があるが、私自身は一作品たりとも全文を読み切っていない。作品そのものにはあまり興味を持てず、一方、三島の人生観や自決に至る思想にはずっと興味があった。 小5の私に...