ブログ 大国の盛衰
6年ぶりに米中首脳が直接会談を行ったが、時間は1時間40分と比較的短いものだった。中国の習近平国家主席と会談した米トランプ大統領は会談後、対中追加関税の引き下げを発表し、レアアース(希土類)をめぐる「障壁」が解消されたと述べた。習氏も中国国営メディアに対し、「主要な貿易問題」の解決に向けて合意したと語った。お互い面子を保った形ではあるが、結果は中国がレアアースの輸出規制を1年間見送ることで、米国の100%の追加関税を回避した。それ以外では米国がフェンタニルのアメリカ流入について対策が不十分だとし、中国からの輸入品に20%の追加関税を課していたが、これを10%に引き下げると米国が妥協し収まった。アメリカ産大豆の輸入拡大でも合意をし、トランプ氏は「10点満点中12点だ」と自画自賛したものの、目的とする国際貿易の不均衡は全く進展しなかった。明らかに中国側が優位を保って会談が終了したという印象である。 トランプ氏がアメリカ・ファーストを標榜し、多くの国際機関からの脱退を決定している。今年1月にはWTO、パリ協定、7月にはユネスコから脱退し、さらに国際人権理事会からの離脱や、国際組織への拠出金削...
