
組織と個人
大学では法学部政治学科に在籍していました。卒論は東大新人会という優秀な人材を多く輩出した組織の宮崎龍介という人物研究でした。ゼミの中ではそもそもこの団体から各界に多くの優秀な人材が輩出したのは何故なのかという課題意識からスタートしていました。当時の歴史的背景、価値観、その組織の強みや思想の基盤あるいは思考メカニズムはどうだったのかが研究テーマの底流にありました。個人研究の過程で様々な人との交わりを通じて生きてきた一人の人生をなぞり研究することは、自分の中で「人間学」そのものを勉強したなあと今でも思い返します。そしてその後私自身が社会で生きていく上での礎になったと思います。 人は一人では生きていけないですし、何らかの形で仲間を作り、お互いに影響しあい、その結果として共通の目標を持って事業を始めたり、あるいは目標は異なるもののお互い刺激しあい、異なる意見を交わしあい、思考を繰り返しながら成長していく社会的動物です。そういう意味で人間が互いに影響しあい相乗効果を上げるといった観点から組織運営というのはひとつの科学なのだと思います。一人よりは二人、二人よりは三人、三人より十人、どんどん効率が良...