
国民の義務と権利
中学校で憲法に定められた「日本国民の三大義務」を教わります。①保護する子女に教育を受けさせる義務(小中学校教育)、②勤労の義務、③納税の義務の3つです。教わって以降、普段疑問に思ったり、気にしたりすることはありませんでしたが、最初の海外赴任から帰国した91年7月後半、①について面を食らうことがありました。3人の学童期の子供がいましたが、もう一学期を数日しか残していないある日に区役所に転入届を出しに行った時のことです。親としては夏休み期間中に3年ぶりに帰国した日本に慣れてもらってから、二学期から登校すればいいという呑気な気持ちでいました。区役所の窓口では「子供には教育を受ける権利があります。明日から学校へ登校させてください。」と強い口調で言うのです。義務教育を受けさせるのは親の義務であり、子供の権利であるいうことですが、親として子供にしかるべきアイドリング期間を設けてスムースな日本の学校への導入を図るのが、親としての務めであるとの考えは今でも変わっていません。ショッキングな出来事として一生忘れえないお役所の対応でした(今はもう少し柔軟な運用が図られていることを願います)。 文科省が昨年発...