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大津事件に見る司法の気概

ロシアと日本の関係は興味深い。戦後一貫して北方領土問題を抱えてはいるものの、クリミア併合で欧米諸国から一斉に非難の的となっていることを思えば、安倍晋三首相とプーチン大統領の関係は表面上比較的良好と言える。 過去最も大きな事件といえば1904年2月から約1年7か月戦った日露戦争であろう。当時のロシアは強大な軍事力を有した列強であり、不凍港を求めて極東地域への南下政策を採っていた。日本にとっては虎の子の朝鮮半島の利権を取られてしまえば、日本の独立さえも危ぶまれる状況であった。幸いにもロシア拡張主義に懸念を持つ英米の支援を得て、勝利のうちに講和に持っていくことができたわけだが、バルカン半島をめぐって一敗地にまみれていたトルコや、ロシアの支配下にあったフィンランドは日本の勝利に快哉を叫び、多くの有色人種国家の独立への勇気付けとなったと言われている。 一方、日本軍に次々と敗れたロシアは、内政においても帝政に対する民衆の不満が増大し、その年ロシア第一革命が起こり、制圧はしたものの12年後のロシア2月革命へと帝政の弱体化が進行することになる。 革命によりロシア最後の皇帝となったニコライ2世(在位22...
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近江商人の「売り手よし・買い手よし・世間よし」の精神

近江商人の「売り手よし・買い手よし・世間よし」の三方よしの精神は有名な商売理念ですね。お客様に喜んでもらうことはもちろんのこと、世間様にもお役に立つという考え方のもと、そうやって信頼を得ることが結果的には商売を広げることに繋がると実感していたからの理念だと思います。 近江商人の起源は鎌倉時代にまで遡ると言われていますが、江戸中期には商業で力を持ちはじめた近江を幕府が天領として直接治めるようになりました。近江商人は「葵」の御紋が入った通行手形によって、関所を難なく超えてさらに全国に商売を広げていったそうです。 当時は「社会貢献」といった大それた考え方はなかったでしょうが、商売での利得のみならず、多くの人に喜ばれるものを提供し続けて、商人として愛されていった。結果、地域貢献・社会貢献につながっていたことが、現代にまでその理念を引き継いでいることに感嘆します。近江商人の商売十訓は以下の通りです。 ⓵商売は世の為、人の為の奉仕にして、利益はその当然の報酬なり ⓶店の大小よりも場所の良否、場所の良否よりも品の如何 ⓷売る前のお世辞より売った後の奉仕、これこそ永遠の客をつくる ⓸資金の少なきを憂う...
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NHKに求めること

NHKは、放送法に基づき1926年に設立され、1950年には特殊法人となり公共放送を担う事業者として今日に至っている。放送法では「公共の福祉のために、あまねく日本全国で受信できるように豊かで、且つ良い放送番組による国内基幹放送を行うと同時に放送およびその受信の進歩発達に必要な業務を行い、合わせて国際放送および協会国際衛星放送を行うこと」と規定されており、その使命を果たす義務を負っている。 2月に話題になった高市総務大臣の、放送局が「政治的に公平であること」と定めた放送法の違反を繰り返した場合、電波法に基づき電波停止を命じる可能性に言及したところ、旧民主党や民放関係者、キャスター等から大きな反発が出ていることはご承知の通りである。論争のポイントは放送法4条(*)が法的規範(法律上の義務を生じるルール)なのか、倫理規範(単なる道徳上の努力義務しか生じないルール)なのかであるが、法規範性を持たない法律とはどういう意味があるのかと私自身は思うので、高市氏の発言は当然の事だと感じる。そもそも無線通信は、限られた無線周波数帯の有効活用と、混信や妨害を防ぐために免許制となっている。それゆえ電波は法律...
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日本の領域は世界12位

日本の国土面積は37万㎢で世界201国中61位。ロシア、アメリカ、中国などの大国と比較すれば数十分の一と小国であることは間違いないが、上位3分の1に入っているという観点で見れば、多くの日本国民が思っているほど小島国ではない。イギリスの1.5倍、ドイツよりもやや大きめの国土を有している。昨今、海洋資源の重要性が指摘されているが、日本の排他的経済水域(Exclusive Economic Zone; 略称EEZ~いわゆる200海里~沿岸から370kmまでは主権が及ぶ)は非常に広く、アメリカ・オーストラリア・インドネシア・ニュージランド・カナダについで世界6位という海洋国家である。このEEZと国土を合わせた領域では、なんと日本は世界12位の領域を有する国家に躍り出るのである。EEZの比較で言えば、日本の448万㎢に対し、中国のそれは229万㎢と半分しかない。最近の中国の海洋進出は軍事上の観点のみならず、EEZを広げようとする経済行為の一環とも言える。 海洋資源には様々なものがある。日本近辺の海底に眠っている資源では、金・銀・銅・亜鉛・鉛・石油・コバルト リッチ クラスト・メタンハイドレート等...
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モンゴルの歴史

モンゴル人と言えば、日本では大相撲で活躍している力士がまず頭に浮かぶ。朝青龍や白鵬をはじめ、相撲史にその名を遺す大横綱がおり、現役3横綱は全てモンゴル出身である。見た目が日本人と変わらないので、よく調べないと日本出身力士かどうか見分けがつかない。そんなモンゴルは国土が日本の4倍、人口は300万人、2014年の一人当たりの名目GDPランキングでは110位、$4000強と中所得国の中位に位置する発展途上国です。しかし、アジアではミャンマーに次ぐ第二位の経済成長率(7.7%)を誇り、豊富な鉱物資源を背景にこれからの発展が期待されています。 一般にモンゴルと言えば、正式名称モンゴル国のことを指しますが、中国内には内モンゴル自治区(面積は日本の3倍、モンゴル族は400万人と言われる)があり、彼らはモンゴル国のことを外モンゴルと呼びます。 モンゴル国はソ連に次いで世界で二番目の社会主義国で、成立は1924年。その後は極左路線を推し進め、日本が樹立した満州国(1932年~1945年)とモンゴルの国境線をめぐって発生した1939年のノモンハン事件では、ソ連軍と同盟を結んで日本の関東軍と戦火を交えていま...
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文明の衝突と21世紀の日本

標題はハーバード大学政治学教授サミュエル・ハンチントンが2000年に発刊した書籍である。それに先立つこと1993年に冷戦終結以後は「文明の衝突」の時代となると雑誌『フォーリン・アフェアーズ』で発表し話題をさらった。1998年の日本での講演に基づいて標題の書籍が刊行されたわけである。1989年にベルリンの壁が崩壊し、年末のマルタ島でのブッシュ・ゴルバチョフ会談によって冷戦の終結が宣言され、翌年の東西ドイツ統一、その翌年にはソ連邦が解体された後、多くの西側諸国が民主主義と自由経済の勝利に酔っていた頃のことである。 ハンチントンの教え子であったフランシス・フクヤマも1989年に「歴史の終わり」を発表し、民主主義と自由経済の勝利、そして民主主義は普遍的かつ恒久的なイデオロギーであり、もはや独裁や帝国に戻るような可逆性はないと論じた。それに呼応したかのように引き合いに出されるハンチントンの「文明の衝突」であるが、その中の「歴史は終わらない」という文言だけが取り上げられ、反論めいた論文のように分析するきらいもあるが、それは本筋ではない。 その後の世界の動向はイスラム(主に急進派)と西欧の衝突という...
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台湾との歴史、そして国連とは

既報の通り2月6日早朝、台湾南部にM6.4の地震が発生しました。ニュースでは倒壊した16階建ての集合住宅ばかりが報道されていますが、現地では断水が一番大変だというSNSも流れています。思い起こせば3.11でいち早く義援金活動をしてくれた台湾に「今こそ恩返しを」と多くの日本国民が支援の輪を広げました。私も微力ながら寄付をしましたが、日本政府も8日に100万ドルの義援金を台湾赤十字に支援することを表明しました(台湾のブログでは台湾赤十字は国際赤十字の承認を受けていない組織なので、どこか別の政治団体のポケットに入ってしまうと危惧する投稿もありましたが真偽不明)。7日には5人ではありますが、官民による「調査予備隊」が現地入りしました。広島のNPO法人PWJは救助犬とレスキュー隊員の派遣を準備中とありますが、その後実際に派遣したのかどうかの報道は見当たりませんでした。 3.11の時に日本赤十字社が公表した国別義援金があたかもすべてのように報道されているきらいもありますが、義援金総額227億円のうち、アメリカが約29億9800万円で1位、台湾が約29億2800万円で2位、以下タイ、オマーン、中国、...
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企業理念

どこで見聞きしたか記憶は定かでないが、私のセミナーでの余談でこんなことを話すことがある。 転職面談で「あなたから質問はありますか?」と訊かれたら、この3つを質問して面接官がすべてよどみなく答えられたら、是非その会社にお入りなさいという話である。 質問⓵「御社のお得意先はどちらですか?」-面接官によっては「そんなことも調べずに面接に来たのか」とNagativeに思われそうであるが、そこを押して訊いてみよう。判断基準は「トヨタです、ホンダです」と顧客を呼び捨てにしていたとしたら、その会社は顧客志向の会社とは言い難いです。「トヨタさんです。ホンダさんです」と「さん」を付けて顧客を呼んでいるのであれば、従業員に顧客志向が浸透している良い会社と思って差し支えないでしょう。海外の場合「さん」という英語の呼称は無いので、この質問は機能しません。 質問⓶「御社の企業理念を教えてください」-この質問も同様に「そのくらい調べて来いよ」という項目かもわかりませんが、案外「企業理念」は従業員に浸透していないものです。会社によっては企業理念を持っていない会社もありますし、とても覚えきれないような長いものや、、網...
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人工知能やロボットに奪われない職業とは

ほぼ1年前になるが、「人工知能やロボットには奪われない『8つの職業』」という記事が出ていた。 1)Nostalgist-人それぞれの最良の記憶により、ポジティブな感覚を生み出すセラピスト能力を有した環境デザイナー 2)Localizer-快適なコミュニティ作りを行うソーシャル・ワーカー能力を有した調整役 3)Robot Counsellor-家庭にアシスタントとして入っていくロボットを、ニーズに合わせて提案し、安心して使えるようにするアドバイザー 4)Company Culture Ambassodor-企業の価値観を浸透・共有させ、仕事が楽しいという環境と雰囲気をつくり出す世話役 5)Simplicity Expert-世の中に情報が氾濫し複雑性が益々増す中で、要点を見つけだし、単純化できるマネジメント 6)Auto-transport Analyst-ドライバーを必要としない自律走行車が増えていく中で、問題を予防し、不測の事態に対処できる物流専門家 7)Healthcare Navigator-病院内のみならず自宅でも様々なヘルスケアが進展していく中で、どういった治療が最適かをアド...
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政治体制と企業組織

今年の暦が終わろうとしていますが、暖かい毎日が続き年末の実感が湧きません。世界に目を転じると、世界中がISの脅威にさらされる中、IS空爆の有志連合は広がりを見せ、断続的に空爆を続けていますが、アメーバのような過激派組織はゲリラ的に移動を繰り返し、未だ大きな脅威として年を越すことになりそうです。シリア紛争から4年、難民は1000万人を超え、周辺国に流出しています。国が安定していないということの恐ろしさをまざまざと見せつけるものです。 また、今年は中国の台頭が政治経済両面で際立った年とも言えます。政治的には南沙諸島への中国の「赤い舌」はまさにその象徴で、経済的には成長率鈍化が世界経済を脅かす要素となるほど無視できない存在となっています。AIIBの創設も西欧諸国中心の枠組みに対抗して世界覇権を狙う動きと捉えられるでしょう。 ロシアは実質プーチン独裁の下、ウクライナ紛争の末、クリミア併合を果たしたものの、その結果として経済制裁を受け、さらに資源安の煽りも受け、経済成長は今年に入ってマイナスになりました。エネルギー輸入国日本に秋波を送り、北方領土の解決も全く無理という状況から変化が出てきそうです...