
アメリカでチップ廃止の動き
2か月ほど前の米New York Times誌に”As Minimum Wages Rise, Restaurants Say No to Tips, Yes to Higher Prices.”という記事が載った。最低賃金が上がって、サーバー(ウェイター・ウェイトレス)の生活が保障されるようになるのであれば、チップは不要。でもメニューの値段は上がりますよ、という論旨である。この記事を多くのメディアは、「レストランにおけるチップの習慣を廃止する動きがアメリカの一部で広がっているが、多くのレストランは静観の構え」と報じている。しかし、単純に捉えると最低賃金が上がるので、チップは不要です。その代わりメニューの値段は上げさせていただきます。つまりお客の支払いは何も変わらないということである。チップが無くなることによってこれまでも大したサービスとは思われなかったサーバーの接客の質がさらに落ちるかもしれない。ひいては顧客満足は低下するかもしれないという含みを私は感じるが、厄介なチップの習慣に煩わされなくなるのは歓迎だ。 そもそもチップという習慣は何故あるのかを紐解くと、イギリスの貴族社会に起源が...