ブログ 父の死
12月12日12時過ぎに電話が鳴った。父の死を知らせる電話だった。満87歳(昭和2年2月2日生まれ)を迎えようという年齢であったし、病院通いをしていた時期もあったので、私としては心の準備をしていた積りであったが、やはりその知らせは「突然」であった。故あって父とは過去20年で一度しか会っていない。最後に会ったのは6年前、生前お世話になった大叔母の葬儀の場であった。父は私が現れることを全く予期していなかったのか、老人性痴呆症からなのか、その場での第一声は「どちら様でしょうか?」であった。さすがに名前を告げると「おぉ、来てくれたか」という返事であったが、父の放蕩にあきれ果てずっと別居していた母に対しても同様の「挨拶」であったことを後日聞いた。そんな父のあっけない最期の知らせであった。 兄夫婦が実家の近くに住んでいて、葬儀の手配を進めてくれていたので、知らせを受けて、取るものも取りあえず「父」が安置された大学病院に向かおうとしていた私は、その日は兄に頼り全てを託すこととして、翌朝の出立とした。葬儀場に着くと大きな和室の部屋で「父」は装束を纏い静かに眠っていた。長年の無沙汰を心で詫びつつも、勝手...
