
日本紙幣肖像物語
先月から新紙幣が流通し始めた。キャッシュレスが進む中で、最後の新紙幣発行と思われる。先日、所有口座銀行の支店前を通りかかったので、ATMから新紙幣が出てくると思い、16000円(期待は新紙幣各一枚ずつ)を引き出してみたが、出てきたのは福沢諭吉1枚と野口英世6枚であった。後日、知り合いが渋沢紙幣を持っていたので、交換してもらい初めてホログラムを鑑賞した(厚木勤務時代の部長は渋沢家直系で顔立ちもそっくりだったことを思い出しました)。このキャッシュレスの時代に全ての新紙幣が庶民の財布に収まるにはまだまだ時間がかかりそう。 紙幣の肖像デザインは国のアイデンティティを表すシンボルである。多くの国は国家元首を紙幣の肖像画に採用しているが、日本において最初に紙幣の肖像画になったのは1881年の神功(じんぐう)皇后の一円券である。それまでの政府紙幣(明治通宝:日本には精密印刷技術がなかったので、フランクフルトの印刷工場で製造されたため別名ゲルマン札)には「龍」が印刷されている。しかし、図柄が龍では偽造しやすく、かつ偽造されても肖像画のように人々の記憶に残らないので、偽札の判別が難しかった。他国の例に倣...