
NHKに求めること
NHKは、放送法に基づき1926年に設立され、1950年には特殊法人となり公共放送を担う事業者として今日に至っている。放送法では「公共の福祉のために、あまねく日本全国で受信できるように豊かで、且つ良い放送番組による国内基幹放送を行うと同時に放送およびその受信の進歩発達に必要な業務を行い、合わせて国際放送および協会国際衛星放送を行うこと」と規定されており、その使命を果たす義務を負っている。 2月に話題になった高市総務大臣の、放送局が「政治的に公平であること」と定めた放送法の違反を繰り返した場合、電波法に基づき電波停止を命じる可能性に言及したところ、旧民主党や民放関係者、キャスター等から大きな反発が出ていることはご承知の通りである。論争のポイントは放送法4条(*)が法的規範(法律上の義務を生じるルール)なのか、倫理規範(単なる道徳上の努力義務しか生じないルール)なのかであるが、法規範性を持たない法律とはどういう意味があるのかと私自身は思うので、高市氏の発言は当然の事だと感じる。そもそも無線通信は、限られた無線周波数帯の有効活用と、混信や妨害を防ぐために免許制となっている。それゆえ電波は法律...